前回の記事の通り、いま現在自分が使用しているエドリックの構築、カード採用理由や理論についてお話します。遅れてしまい申し訳ありません。

出来栄えや強さに関しては良い方だとは感じていますが、あくまで構築の基準にしているのがカードショップセラでの環境ですので、部分的に考えの偏りや本当はもっとこうしたほうが強いのに、という意見もあるとは思いますが参考にしていただいてもらえれば嬉しい限りです。
あと、先に言うと荊州占拠はまだ手に入れていない為リストにはありません笑
どうしても英語版がほしいからまだまだ道は遠い…


クリーチャー18

《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《再利用の賢者/Reclamation Sage》
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《ウッド・エルフ/Wood Elves》
《金粉のドレイク/Gilded Drake》
《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《葉の王エラダムリー/Eladamri, Lord of Leaves》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《進歩の災い/Bane of Progress》
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《Fyndhorn Elves》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》
《スカイシュラウドのレインジャー/Skyshroud Ranger》
《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》

ソーサリー13

《時のらせん/Time Spiral》
《召し上げ/Expropriate》
《時間の熟達/Temporal Mastery》
《水の帳の分離/Part the Waterveil》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
《悪名高き群れ/Notorious Throng》
《時間操作/Temporal Manipulation》
《時間のねじれ/Time Warp》
《知識の搾取/Knowledge Exploitation》
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
《新たな芽吹き/Regrowth》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《自然の秩序/Natural Order》

インスタント23

《時を越えた探索/Dig Through Time》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《徴用/Commandeer》
《意志の力/Force of Will》
《Mana Drain》
《対抗呪文/Counterspell》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《遅延/Delay》
《否認/Negate》
《白鳥の歌/Swan Song》
《払拭/Dispel》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《否定の契約/Pact of Negation》
《誤った指図/Misdirection》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《水没/Submerge》
《断絶/Snap》
《応じ返し/Snapback》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
《輪作/Crop Rotation》
《自然の要求/Nature’s Claim》
《有毒の蘇生/Noxious Revival》

エンチャント8

《森の知恵/Sylvan Library》
《ドライアドの歌/Song of the Dryads》
《月への封印/Imprisoned in the Moon》
《精神支配/Mind Harness》
《支配魔法/Control Magic》
《不実/Treachery》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《繁茂/Wild Growth》

アーティファクト7

《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《金属モックス/Chrome Mox》
《記憶の仮面/Mask of Memory》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》

土地30

《Tropical Island》
《繁殖池/Breeding Pool》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《統率の塔/Command Tower》
《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《真鍮の都/City of Brass》
《反射池/Reflecting Pool》
《色あせた城塞/Tarnished Citadel》
《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
《溢れかえる果樹園/Flooded Grove》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
《古えの墳墓/Ancient》
《露天鉱床/Strip Mine》
《森/Forest》4
《島/Island》4


基本的な部分はどの構築でも変わらないと思うので、そこは省かせていただきます。
主に今回は以下のカードを順を追って解説、思ったことをお話していきます。

長文になってしまうためご了承ください。


《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》

初めてネットでエドリックのレシピに入っているのを見た時は、正直リストを眺めているだけでは強いのかわからず、エドリックというデッキの中で活用できるほどの強さがあるのかと半信半疑でした。
しかし、実際にリストに書かれている以上活躍する場があり、強さが証明されているのは確かであるため、自分でも試してみようとデッキに入れて試運転してみました。

感想としては、思ったよりは場に出る機会(厳密に言うと、場に出すことのできるタイミング)はあるが、《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》のように、今一番脅威となる盤面に干渉できる能力ではないため、コジレックに関しては若干異なりますが同じエルドラージの中でも唱えた時点で盤面に対してアドバンテージを獲得する要素がなく、殴る時に滅殺があるわけでもないです。
しかし、相手のターンを奪えることは他にはない強みであり、状況次第ではタイミングを間違えなければ盤面に触ることよりも圧倒的に強くそのままゲームエンドまでいきます。
ターンを奪ったあと、相手に追加の1ターンを与えてしまいますが、ターンを奪う強さをわかりやすく考えると、1ターンの間自分に対する妨害、攻撃を全て他のプレイヤーに向けることができ、実質この1枚で最大3人に干渉することができます。それに加えてコントロールされたプレイヤーの状況を崩すことができます。
さらには、13/13のほぼ対処不可能に近いクリーチャーが残るため、ゲーム中盤以降であれば、場を崩壊させたまま2〜3回殴れば勝てる状況につながります。

もうひとつは、そもそもエムラクールを召喚するコストの重さがどの程度軽減できるかですが、平均して8〜9マナまで軽減できると感じました。
もともと溢れるくらいの手札量になるエドリックというデッキ、除去されやすいサイズのクリーチャーやフェッチランドを始め、《大あわての捜索/Frantic Search》《水蓮の花びら/Lotus Petal》《記憶の仮面/Mask of Memory》など、デッキの回転を速くする傍ら意図的に墓地へ落とせるカードが多いため、比較的軽くするのは簡単でした。


《金粉のドレイク/Gilded Drake》

相手のジェネラルや環境によって、このカードは大きく効果が左右されるように感じます。例えば自身の体験では、身内での環境には〈数多のラフィーク/Rafiq of the Many〉〈兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher〉この2つ相手に3/3の飛行というサイズが渡ることが致命的であったり、コントロール奪取をしても効果がいまいちなジェネラルが多かったため以前は採用に至りませんでした。
ラフィークもズルゴも、根本は大型クリーチャーに《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》などの装備品を主軸にジェネラルをサポートするデッキであるため、こちらのクリーチャーの戦闘による解決はまず不可能です。
打ち消しが間に合うのが理想ですが、毎回都合よく噛み合うことはできないし、それに加えズルゴ然り赤黒白のカラーのデッキは数多くの除去札や妨害する置物があるため全てに対処するのは困難です。
クリーチャーに対しては、打ち消しが間に合わないとなると青緑のデッキではバウンスか《猿術/Pongify》や《内にいる獣/Beast Within》、《ドライアドの歌/Song of the Dryads》や《月への封印/Imprisoned in the Moon》、あるいは《金粉のドレイク/Gilded Drake》のようなコントロール奪取による擬似的な除去しかできません。
《金粉のドレイク/Gilded Drake》は確かにたった2マナで永続的にコントロール奪取が可能であり、コストパフォーマンスは高いカードです。しかし、ズルゴとラフィークはコントロール奪取したとしてもどちらも飛行がないためそこを突かれて、ドレイクに《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》などの強力な装備品を付け殴られて、その流れでエルフを焼きつつドローするという最悪のパターンになることが何度もありました。
《猿術/Pongify》や《内にいる獣/Beast Within》などのトークンを作り出してしまう除去では、相手のクリーチャーの頭数が変わらず、結局はそのトークンに装備品を付けられて殴られてしまうため何も解決になりません。ただでさえトークンのサイズが3/3であるので、装備品が無くともしばらくの間殴るなりブロッカーとして場に残ってしまいます。
さらに言うと、自分の場にエドリックがいた場合、ドレイクにしてもトークンにしても他のガラ空き状態のプレイヤーに殴りにいきドローされてしまいます。
有利になったはずの盤面が、たった一枚のカードで壊滅させられかねないと判断してデメリットの大きさ故に一時期抜いてしまっていましたが、やはり緑単のような高速展開するデッキやジェネラルに強く依存する《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》
《巨大なるカーリア/Kaalia of the Vast》などのデッキには絶大な効果があるので、また採用しようと判断しました。
あと、セラでは《家路/Homeward Path》を入れているプレイヤーが多いのもあり採用していなかったひとつの理由でした。


《葉の王エラダムリー/Eladamri, Lord of Leaves》

エルフに被覆を与えるのも強みではありますが、個人的には森渡りを与えることに強みを感じます。4人卓であったり、他のプレイヤーが3色以上のデッキであれば、だいたいの確率で緑は絡むので腐ることは少ないです。
また、単純にエドリックと一緒にいる時に、相手へのエルフを除去するための盤面への解答札を増やす目的もあります。《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》から直接持って来られる点も大きなポイントです。
しかし、過信しすぎると相手にブロッカーがいる状況で戦闘に入った時にエラダムリーを除去されてしまうとそのままブロックされてしまう危険性があるので注意が必要です。


《進歩の災い/Bane of Progress》
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
《自然の秩序/Natural Order》

目的としては、マナファクト、エンチャントを多用するデッキに1枚で複数に対応するために採用しました。《無垢への回帰/Seeds of Innocence》はアーティファクトにしか触れませんが、相手の大量展開を3マナで解決できる点、エドリックを最速で出せる2ターン目と同じタイミングで使える点を評価しました。
《進歩の災い/Bane of Progress》は基本的に《自然の秩序/Natural Order》からしか出すことを考えていません。アーティファクトだけではなく、妨害エンチャントや放置しておくとアドバンテージを得られてしまうものに対処する手がほしく採用しました。
《自然の秩序/Natural Order》は直接場に出せるのが強みであり、最速でマナクリーチャーからエドリックを展開した返しのターンにちょうど4マナ出せるため、マナクリーチャーをコストに流れるように場に出せるところも噛み合います。
また、《進歩の災い/Bane of Progress》と《自然の秩序/Natural Order》は、それぞれ《神秘の教示者/Mystical Tutor》《俗世の教示者/Worldly Tutor》から持って来れるのでどちらからでもアクセス可能にしたいため、この2枚はセットで投入しています。
緑には先ほど紹介した《葉の王エラダムリー/Eladamri, Lord of Leaves》、《永遠の証人/Eternal Witness》などの優秀なクリーチャーがいるため、それらにアクセスすることもできす。
大量展開から物量で攻めていけるのがエドリックの利点ですが、その動きをしながらも幅広く相手の動きに対応できるのは大切であると思います。


《ドライアドの歌/Song of the Dryads》
《月への封印/Imprisoned in the Moon》

青緑のデッキには擬似的な除去しかないと説明しましたが、この2枚は全くの別物だと評価しています。評価のポイントとしては、
①エンチャントは色によっては対処できない
②対処できるとしても、解答札が少ない
③ジェネラルを再キャストさせない

①はエンチャントに触れる色は基本は緑白の2色であり、緑はともかく他の色ではエンチャントに触れるカードはEDHでは限定的なものしかありません。なので、アーティファクトに比べて対処されにくいです。

②はEDHではアーティファクトに対する解答札や対策カードは割とありますが、エンチャントに対する対策カードというのは比較的少ないです。エンチャントでもあり、土地でもあるため《露天鉱床/Strip Mine》などで割られてしまうことが稀にありますが、土地破壊カードを使った場合付けられていたクリーチャーごと破壊されるため、わざわざ自分のカードに対して使ってくれればそれだけで1対2交換、ジェネラルであったなら次に再キャストするためのコスト増加、といったようにこれ1枚でカードアドバンテージ、テンポアドバンテージを獲得することができ非常に強力なカードです。

③は①の続きにもなりますが、色によっては剥がせないこともあり、ジェネラルに依存したコンボデッキやジェネラル単体で攻めるデッキには強い拘束力があり、それだけで詰みに近い状態にできます。下手に除去して再キャストされるよりも、場に拘束するほうが効果的なことのほうが多いので、個人的には強力なカードであると思います。
除去札の1枚として考えた時には1ターン目にマナクリーチャーからエドリックを展開した返しの相手ターンでクリーチャーを出された時に、次の自分のターンはマナクリーチャーを殴り手として使うと、使えるマナはちょうど3マナあります。なので、クリーチャーを封じ込めつつ2体殴りに行くことができるので無駄のない強い動きができます。
また、両方プレインズウォーカーに触ることができる貴重なカードでもあるので、1枚で幅広く対応できます。


《精神支配/Mind Harness》
《支配魔法/Control Magic》
《不実/Treachery》

これもエンチャント故に、やっていることは《ドライアドの歌/Song of the Dryads》《月への封印/Imprisoned in the Moon》と同じような理論です。《不実/Treachery》の場合、マナコストの都合上最速の展開時の4マナ出せる動きからはずれてしまいますが、3ターン目までに2マナ以上でる土地があれば同じことが可能です。
しかし、《ドライアドの歌/Song of the Dryads》《月への封印/Imprisoned in the Moon》と決定的に違うのは、MTGwikiより引用ですが、《対策される可能性があるとはいえ、クリーチャーを奪うということは「対戦相手のクリーチャーを減らす」のと「自分のクリーチャーを増やす」のを同時に行っているわけで、擬似的に除去と戦力増強を一度にできる、ということ。つまり2対1交換のアドバンテージが約束されているようなカードであり、リソースを稼ぎやすいカードといえる。》ということです。
《ドライアドの歌/Song of the Dryads》と《月への封印/Imprisoned in the Moon》にはできない戦力を増やせることが大きなポイントで、このEDHというフォーマットでは全てのライフを削らなくてもジェネラルによる統率者ダメージによって勝つことが可能です。仮にコントロール奪取したジェネラルがパワー7以上であれば、3回殴るだけでひとり倒せてしまいます。
相手からしたら、エドリックを除去しないとアドバンテージは取られ、自分のジェネラルをどうにかしないと21点のダメージを受けてしまう板挟み状態になります。
また、《ドライアドの歌/Song of the Dryads》《月への封印/Imprisoned in the Moon》に比べるとクリーチャー除去が効くため、ある程度は解決できますが、序盤であれば除去を打ったターンには再キャストするためのマナが足りなかったり、マナが足りていたとしてもそのターンはジェネラルを出すしかできないなどのテンポロスを食らうはめになります。再キャストに合わせて打ち消し呪文を打てれば相手のプランや行動を大きく崩せることができるので、そのまま周りから引き離して自分が有利に立てて、もたついている間に物量攻撃からの追加ターンで一気に攻め込めます。


《露天鉱床/Strip Mine》

これは個人メタというわけではないのですが、採用していた一番の理由としてはセラには《家路/Homeward Path》を入れているプレイヤーが多く、せっかく積んだコントロール奪取のカードが全てが無駄碑となってしまうため入れていました。
100分の1枚の確率で出されるカードに対して、こちらも100分の1枚のカードで解決しようとするのは効率が悪いですが、コントロール奪取の強さを考えたら家路の解決札があるかないかでゲームが変わるならあったほうが良いと判断しました。
もともとエドリックはドローを大量にできるデッキのため、少なからず他のデッキよりは引ける確率はあるし、《輪作/Crop Rotation》でサーチすることもできますが、
毎回必ず引けるわけではないし、家路を出されて解決できなければプランを変更せざるを得ないなど、いくらかは割り切ることにしています。
それ以外には《魂の洞窟/Cavern of Souls》《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》《繁茂/Wild Growth》系をつけた土地などに対して割りにいったりします。割らなくても場に出ているだけで牽制になり、相手は迂闊に出せなくなります。案外そこが重要なはたらきをすることもあるので、覚えていて損はないプレイングです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。長文になってしまい、もしかしたら伝わりにくい内容があったかもしれないです。
もし何かありましたら、コメントからでも気軽にお話していただけたらと思います。

次回は採用に至らなかったカードや入れ替え候補として検討しているカードを紹介します。

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